鳴海製作所娯楽部でゲームデザインをやってる、はむおです。
フルネームは「ロースはむお」だよ。
今日は娯楽部流マニュアルの書き方だよ。
ゲームのボリュームとマニュアルの形式を確認する
娯楽部のゲームは基本的に軽いのものばかりなので、ぺら1(紙1枚)あれば説明しきれるけど、重ゲーとかになると何十ページの冊子形式じゃないと説明しきれなかったりするので、ボリュームにあった形式を選ぼう。
冊子形式は書き方が大分違うので、今回はぺら形式のみを説明。
ボリューム以外に重要なのは、マニュアルを入れる外箱の形状。
ぺら形式は外箱の形、大きさで紙のサイズや折り方が変わるのと思うので気にとめておくこと。
娯楽部のゲームは基本的に紙箱(キャラメルボックス)なので、ぺらを何度か折ったのがマニュアルの形状になる。
ページに要素を配置する
折り目で区分けされたぺらの各区分を「ページ」と考えて、マニュアルに必要な要素を配置していく。
赤点線が折り目となる。
この時に大切なのは伝える情報の順番で、「ゲームの流れ」のあとに「勝利条件」とかを配置しちゃうと、「ゲームの流れ」を読んでる最中に「結局なにすればいいゲームなんだ?」という疑問が残ったままで、「勝利条件」まで読んだ後にもう一度「ゲームの流れ」を読まなきゃいけなかったりして不親切になってしまう。
というか、いくら買ってくれたとはいえ、どんなゲームかもわからない(ゲームへの興味が薄い)状態でルールの細かい説明されても頭に入ってこないので、
このゲームは○○な世界観で××するゲームで、△△すると勝ちだよ。ほら、面白そうでしょう?
ってアピールでゲームへの興味を高めて貰うのが大切。
そんなわけで要素を配置していくんだけど、実際に紙を折ってやると分かりやすい。
折り方にもよるけど例にあげているマニュアルの場合、左上を表紙としてこういう感じ。
【1】表紙
【2】どんなゲームなのか説明(世界観とかざっくり何が目的なのかとか)
【3-6】内容物やその説明(カードの見方など)
【7】ゲームとしての終了条件(勝利条件)
【8】ゲームの準備(カードを配ったりとか)
【9-12】ゲームのルール(進行手順)
(13-16)用語や特殊なルールの説明(あれば)
(?)Q&A(あれば)
【?】奥付
()はあれば入れる、【?】は邪魔にならないところに押し込む。
文章量によって配置は変えているけど、だいたいいつも同じ感じ。
配置した要素に中身を入れる
ここまできたらあとは各要素に中身を入れてくだけ。
ゲームが出来てれば文字にしていけばOK。
【3】ゲームとしての終了条件(勝利条件)、【4】ゲームのルール(進行手順)について具体的に言うと、
- ゲームのルールを箇条書きにする。
- 必要そうな大項目を抜き出す。
- 気を付けたい点があれば文章を追加する。
こんな感じ。
例えば、「意識の階段」というゲームのルールを箇条書きにすると
- 山札からカードを引く
- 自分の手札を使って、アクションをする。アクションは2回行える。
- アクション出来ないときはパスになる。
- 自分にも称賛できるし、レッテルも張れる。
- 他人にも称賛できるし、レッテルも張れる。
- 手札の数が6枚以上なら5枚になるように手札を捨てる。
- 5000兆段登った人の勝ち。
これをゲームの終了条件を満たすまで続けることになる。
必要そうな大項目は1. 2. 6.になる。7.は終了条件なので別に記載をする。
3.4.5.はアクションの内容になるので、2.の中で説明することができる。
ということで、1. 2. 6.に文章を追加していく。
(2)自分の手札のカードを使って、次のアクションを2回まで行います。
(行えるアクションがない場合、パスになります)
a.意識の階段を登る
b.自分を称賛する
c.自分にレッテルを張る
d.他人を称賛する
e.他人にレッテルを張る
(3)自分の手札が6枚以上の場合、手札が5枚以下になるようにカードを捨てます。
(捨てたカードは「捨て札」として、全員の分をまとめて1か所に表向きで置いておきます)
1~3が終わったら、順番が左隣の人に移ります。
この手順を、【誰かの意識の階段が5000兆段以上】になるまで繰り返します。
ここでは次のことに気をつけとくと良い。
文字が多すぎないか
文字が多すぎると基本的に読みにくい。読みにくいマニュアルを読んでゲームをしてくれる人は希なので、極力ハードルは下げる。
ほどよく図解とかを入れて、文字→図解で咀嚼→文字→図解で咀嚼みたいにすると良さげ。
マニュアルを読んで迷わずにゲームが遊べるか
マニュアル書いてる本人達はゲームに詳しいので多少アラがあっても支障は無いけど、マニュアル読んで遊ぶ人は当然ルールなんてわからない状態からスタートなので、一旦頭をバカにして頭からマニュアル読んでゲームが遊べるかは要確認。そのゲームをやっていない知り合いに読んでもらうのもあり。
あとはマニュアル書いてる途中にルールの不備や説明しにくい所が見つかったら無理にマニュアルに落とし込むのではなく、ゲームの方を見直すのも大事。
図を入れる
上の文章に図解を入れたものがこうなる。
印刷用データに落とし込む際に、出来るだけ「紙を折るところに絵や文字を入れない」ことに気を付けている。
「意識の階段」ではどうしても配置できずにカードの見方が折り目に配置されてしまった。悲しいね。
紙を折ると、折り目の部分の印刷が剥げてきて読み辛くなることがあるので、可能なら気を付けてみるのがおすすめ。
確認
基本的に「配置した要素に中身を入れる 」でも頭バカにして確認してるけど、足りてないものがないか確認。
足りないものが出てきちゃって、書き上がったマニュアルにうまくはめ込めない場合は、一旦ゼロからやり直す勇気も必要。
完成
不足などの問題がなければ完成。
到着した紙をひたすら折る作業が待っている!
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